ピアノを弾くその前に!曲のイメージを持つために大切な4つのこと
こんにちは。広島市安佐南区 横山美和ピアノ音楽教室です。
皆さん、現在練習されている曲にイメージをお持ちですか?
- どんな音で弾きたいのか?
- どのようなイメージを持ち、どう表現したいのか?
曲に対する「イメージ」がないまま弾いていると、ただ音符を並べているような平坦な演奏になっているかもしれません。
ちなみに、イメージとは?
心に思い浮かべる像や情景。ある物事についていだく全体的な感じ。心像。形象。印象。また、心の中に思い描くこと。「イメージがわく」「イメージをふくらませる」
楽譜通り弾けているけど、なんだかぱっとしない、つまらない…
それは曲に対する「イメージ」がないからではないでしょうか?
ピアノを弾く前にイメージを膨らませて弾くことで表現力豊かなセンスある演奏に近づけると思います。
では具体的にどうすれば良いのか?
今回は「イメージ」を持つために大切な5つのことについてお話しします。
「イメージ」がないピアノ演奏は味気ない
イメージがない演奏とは、言い換えれば「味気ない演奏」ではないでしょうか。
例えば、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、お肉で何か作るとしましょう。
ただ水で煮込んだものと、ハーブや美味しいお塩で煮込んだものどちらが美味しいと思います?
(素材が良ければ水だけということもあるかもしれませんが…(;’∀’)
きっと大多数の方がハーブと美味しい塩で煮込んだものを美味しいと感じるはずですよね?
楽譜は「素材」です。
素材は天才作曲が作ったものですからもちろん素晴らしい!
演奏者はそこに調理という手間=「イメージ」を加えなければいけません。
「イメージ」があるからこそ、美味しい料理=「表現力豊かな演奏」になるのです。
20世紀最大のピアニストの一人、アルフレッド・コルトーの言葉に、
『どんな低俗なイメージでもいいから、とにかくイメージを持って弾くことが大切。そうすると、にわかに曲が生き返る』
というのがありますが、正にその通りだと思います。
また、「イメージ」を持つことで演奏者の「個性」が生まれます。
同じ材料で料理をしても、作り手によって味がまったく違うように曲も演奏者の持つイメージによって変わる。
それが「個性」であり「音楽性」
一番良くないのは「イメージ」がない味気ない演奏ということです。
「ピアノ曲のイメージ」を持つために知って欲しい4つのこと
この質問にすぐに答えられる方はどれくらいいらっしゃるでしょう???
わたしの経験上ほとんどの方は黙り込んで、考えてしまいます。
もちろん、どんな曲でも「ぱっ!」とすぐにイメージが沸く方もいらっしゃるでしょう。
特に小さな子供は純粋ですから、イメージを持つことに関しては得意かもしれません。
わたしは、「イメージする」ことが比較的得意で逆にイメージがないと難しいと思ってしまう方なのですが、それでも、イメージを持つために工夫していることがあります。
もし、イメージを持つことが苦手だなと感じるのであれば、これからお伝えする4つのことを取り入れてみて下さい。
1.経験
まず、経験していないことをイメージすることは誰しも難しいはず。
知らないことを思い浮かべるのと、経験したことを思い出すのではどちらがより具体的にイメージできるか分かりますよね?
- 消えてしまいたいくらい悲しい気持ちになったことはある?
- 涙が出るほど感動したことは?
- 極上のワインを飲んだ経験は?
- オーケストラの演奏に鳥肌が立ったことは?
あげればキリがありませんが…
ここでいう経験とは演奏経験やピアノ歴のことではなく
「人生経験」のこと。
日々何となく過ごすのでは勿体ない。
- 五感をフル活動させる
- どんな事にも感想を持つ(何事にも考えるクセ付け)
- 喜怒哀楽をたくさん感じる
- 多用な価値観に触れる(読書もおすすめ)
代わり映えのしない一日と思っていても意識を変えるだけで見え方は変わります。
その少しの意識でで経験値はぐーっと上がるのです。
2.知識
知識はイメージをする上でヒントになります。
- 和声、音楽理論の知識
- 作曲家について
- 楽器の構造や特性
- 音楽史、世界史について
知っていれば、イメージすることが断然「楽」になるはずです。
例えば、ベートーベンのソナタを演奏しているとしましょう。
短調で悲しい曲調の作品です。
「ベートーヴェンが聴力を失った時期の作品なのか?」
「まだ若いころの作品なのか?」
それによって悲しみの要素は変わりますよね?
また、和声の特性を知れば、和音進行によって緊張感があるのか?解放へ向かっているのか?などイメージしやすくなります。
知識ばかりの頭でっかちでは困りますが、知識があればあるだけイメージするためのヒントを持っているということ。
難しく考えることはなく、基本的な和音進行を勉強する、楽語の意味を調べる、作曲家で伝記を読むなど出来ることから挑戦してみましょう。
3.想像力
経験がないと「イメージ」は持てないのでしょうか?
決してそんなことはありませんよね?
宇宙に行ったことがなくても、宇宙を想像することはできます。
クラシック音楽は現代のわたし達では経験し得ないことがたくさんある世界で作られたもの。
- 一人の人間の壮絶な人生、
- 個人の思想や世界観
- 時代背景
- 生活様式の違い
知らなくても「想像力」を働かせるしかありません。
そんな時に手助けになるのが、「経験や知識」なのです。
マリーアントワネットの処刑シーンを見ることは絶対経験できませんが、想像はできます。
眠れないほどの悩みを抱えた経験があれば、マリーの気持ちを想像することもできるかもしれません。
「想像」する姿勢や努力を持つことでそれを演奏に活かすことができます。
「知らないから、出来ない」のではなく想像する、知ろうとする努力を怠らないで欲しいと思います。
4.言葉に出来る、言語化する
イメージを言語化することができると、より深く自分の理想とする演奏は何かを知ることができます。
「イメージははあるけれど、言葉にできない」
「何て説明したらよいのか分からない?」
子供によく見られますが、イメージや理想はあるが上手く言葉に出来ないのです。
言語化するには語彙力も関係しています。
より多くの言葉を知っていれば具体的にイメージを伝えることも容易になります。
例えば「楽しい」というイメージにもいろりろありますよね?
・新しい場所にワクワクしている
・遠足のウキウキ、ルンルン気分
・飛び跳ねるくらい元気に公園で遊ぶ
・音楽に合わせて踊る
・大好きな人に合える喜び
語彙力が増えれば、具体的に言葉にして説明することができます。
ただ、頭の中で思うだけでなく言葉にすることで、改めて自分が理想とする「楽しい」イメージを表現することができるのです。
他にも、自分の言葉で説明できる力があれば、コミュニケーション能力や表現力向上にも役立ちますね。
そのためには、イメージをどんどん掘り下げていくこと!
一番良いのは本を読んでたくさんの言葉に触れることです。
ピアノを弾くその前に!曲のイメージを持つために大切な4つのこと:まとめ
1 「イメージ」がない演奏は味気ない
2 「ピアノ曲のイメージ」を持つために知って欲しい4つのこと
イメージを持つことは簡単なようで難しいですよね。
しかし、演奏に正解はありません。納得いくまでご自分で追求することが大切なのではないでしょうか。