ピアノのを弾くとは?R.シューマン「森の情景」を通して思ったこと
こんにちは。横山美和ピアノ音楽教室です。
シューマン :森の情景 Op.82
現在、中学1年生のIちゃんが練習している曲です。
シューマンの「森の情景」は、私がおすすめする曲の一つ。
ロマン派の導入として、中級以上の生徒に弾いてもらうことが多いです。
彼女は現在、バッハのインベンション、モーツァルトのソナタを練習しており、大変熱心で優秀な生徒だと思います。
そんな彼女が次のステップに上がるためにとこの曲をお渡ししました。
「森の情景」について少しだけご説明します。
9曲の小品からなり、シューマンの作品の中では、より音楽に深みが増しているように感じる作品です。
各曲はロマン派詩人たちの描いた「森」をモチーフに作曲されたと言われ、当初は各曲のモットーとして詩を添える予定であったと言われています。
第1曲「森の入り口」
明るい旋律で始まりますが、陰と陽の対比がみられる曲で、ポリフォニー的な要素もあり、中間部は4声部に分かれて旋律が奏でられる作品です。
シューマンは歌曲作品も有名で、旋律が大変美しい作曲家です。
この曲も、例外ではなく、短い曲でありながら非常に情緒的で美しい作品です。
さて、話を戻します。
初めてシューマンを弾く場合、けっこう苦戦します(;’∀’)
譜読みが大変とか、技術的に難しすぎるということはないのですが、シューマン独特の譜面面と言いますか、ハマるまで時間がかかる方も…
Iちゃんも、譜読みは出来ているのですが、「楽譜」から読み取り演奏するとなると、まだまだです。
私は、彼女が、この曲を弾きこなせば「ピアノの神髄」を少し理解できるようになるのではと思っています。
そして、ここからが本当の意味でピアノが楽しくなってくるはずだと思います。
ピアノを弾く「神髄」とは?
ピアノ、クラシック音楽は「芸術」です。
楽譜から、作曲者が何を伝えたいのかを読み取り、それを楽器を通して表現する。
ピアノを弾くとは、楽譜が読めて弾ければ良いと思われるかもしれませんが、違います。
それは、あくまでも技術的な要素で、演奏するための入り口です。
「芸術」としてピアノを演奏をするのであれば、やっとこの辺りでスタートラインに立ったと言えます。
しかし、残念ながら多くの方は、ここを知らずに辞めてしまいます。(実際は読譜も弾くことも出来ずに辞める方が多いのですが)
そして、それは全く意味のないことのように思います。
もちろん、色々なお考えがあり、ピアノに対しても向き不向き、興味のありなしがあるので、これが正しいと言いたいわけではありません。
ここからは、あくまでも私一個人の考えとしてお読みください。
何年もかけて楽譜もまともに読めず、弾くこともできない。
一週間に1回レッスンに来て、読めない楽譜を前に、ピアノをならす。
これに意味があるのでしょうか?
音楽に触れる時間が大事とか、いつか読めるように、弾けるようにと思われるかもしれませんが、ほぼ無理だと思います。
音楽に触れたいなら、どうぞコンサートへ出向いたり、オーディオで聴いて下さい。
いつか楽譜が読めるなんて、そんな甘いものではありません。
きちんと練習する方は、年齢にもよりますが、半年あれば楽譜を読めるようになります。
練習したくない、嫌々やっている、それでしたら、もう辞めましょう。
そして、ピアノ以外で興味があることを探し、そちらに時間を費やしてください。
その方が、よっぽど人生が豊かになるのではないでしょうか。