エチュードとは?意味や目的、種類をピアノ講師がわかりやすく解説【練習曲の基礎知識】
こんにちは。広島市安佐南区 横山美和ピアノ音楽教室です♪
- 「エチュードって何?」
- 「ツェルニーやブルグミュラーもエチュードなの?」
- 「練習曲はなぜ必要なの?」
このような疑問を持ったことはありませんか?
「エチュード(étude)」とは、フランス語で**「勉強」「練習」という意味の言葉です。
英語の「study(スタディ)」とほぼ同じ意味で、日本では一般的に「練習曲」**と訳されています。
しかし、ピアノのエチュードには、技術を身につけるための教材だけでなく、演奏会で演奏される芸術作品も数多く存在します。
今回は、ピアノ講師の視点から、エチュードの意味や歴史、種類、そして学ぶ目的について分かりやすくご紹介します。
エチュードとは?意味や役割をわかりやすく解説
エチュードはピアノだけでなく、ヴァイオリンやフルート、声楽など、多くの楽器のために作曲されています。
どの楽器でも、演奏に必要な技術を身につけるために作られました。
ピアノのエチュードには、指をスムーズに動かす練習や、美しい音を出すためのタッチ、リズム感や読譜力を育てるなど、それぞれの曲に目的があります。
また、ショパンやリストが作曲したエチュードのように、練習曲でありながら芸術作品として世界中で演奏されている名曲も数多くあります。
つまり、エチュードとは単なる「指の練習」ではなく、「演奏技術と音楽性の両方を育てる大切な作品」なのです。
エチュードを練習する目的
エチュードは「難しい曲を弾くための準備」と思われがちですが、それだけではありません。
例えば、
- 指を効率的に動かす力を身につける
- 和音を美しく響かせるタッチを学ぶ
- スケール、アルペジオなどの基礎テクニックを習得する
- リズム感や読譜力を養う
- 音楽表現を育てる
など、一曲ごとに学ぶ目的があります。
私自身、生徒さんにも「速く指が動くようになるため」だけではなく、音をよく聴き、美しく表現する力を育てる教材としてエチュードを大切にしています。
ピアノのエチュードには2種類ある
数多くあるエチュードですが、その目的や目指すものによって大きく2種類に分けられます
①技術習得のための実用的な練習曲、教育目的の練習曲集
②演奏会で弾くような作品 高い技術を要し芸術性がある作品
①技術習得のための実用的な練習曲、教育目的の練習曲集
バイエル
赤バイエル、黄バイエルと聞けば、どこか懐かしさを感じる方もいらっしゃるでしょう。
(私もバイエル世代です(*^^*))
一昔前までは、ピアノ初心者の定番エチュードだった「バイエル」ですが、近年はさまざまな導入教材が出版され、以前ほど使われる機会は少なくなりました。
では、バイエルは時代遅れ?
いえいえ、バイエル全曲を練習する必要はないと思いますが、素敵な曲や練習になる曲がたくさんあります。
当教室では必要に応じてバイエルの曲を使用することがあります。
ブルグミュラー「25の練習曲」
バイエルが終わったら次はブルグミュラーが王道!
ブルグミュラー「25の練習曲」は、すべての曲にタイトルが付けられ音楽的な作品が多く「エチュード」と感じさせない作品ばかりです。
発表会の定番曲もたくさんありますよね‼
・アラベスク
・バラード
・タランテラ
・貴婦人の乗馬、など
C.ツェルニー
ピアノ学習者にとってはお馴染みのエチュードと言えるでしょう。
書かれたのは19世紀初~中頃。
ピアノ教師で作曲家のツェルニーが、主にベートーヴェンの全てのソナタを弾きこなす為の技巧獲得をメインに書いたとされてます。
特に30番はピアノの基礎を学ぶ上で一番重要なエチュード曲集だと言われています。
40番、50番、60番と続きますが…
60番は超絶で全曲制覇した人をわたしは知りません(◎_◎;)
その他
バイエル、ブルグミュラー、ツェルニーはド定番!
ですが他にも技術向上のための作品がたくさんあります。
※モシュコフスキー
・15の練習曲 Op.72
・20の小練習曲 Op.91
・16の技術練習曲 Op.97
※クラーマー・ビューロー ・60の練習曲
※J.ブラームス ・51の練習曲
この辺りは、技術的に高度で特にモシュコフスキーは音楽的に素晴らしいものが多く演奏会で弾かれることもあります。
②演奏会でも弾かれる高い技術を要し、芸術性が高い作品
教育目的というよりは、テクニックの象徴として作曲家たちが競うように書いた作品です。
特にショパンはこれまでの「エチュード」の概念を覆し、《12の練習曲 作品10》を作曲しました。
これはリストに献呈されており、リストへの挑戦状とも言われています。
そんなリストは、21歳の時にヴァイオリニスト・パガニーニの演奏を聴き「ピアノのパガニーニになる」と宣言。
《パガニーニ大練習曲 S.141》を作曲しました。
リストはその後も超絶技巧を駆使した多くの「エチュード」作曲しています。
これは、ピアノの性能が向上し、演奏技術、表現方法が広がったという時代背景が関係しています。
技巧的な「エチュード」が多く作られたことは、ピアノという楽器の可能性が広がった証拠でもあるのですね。
では、演奏会用作品をいくつかご紹介しましょう。
F.ショパン
・練習曲 Op.10 Op.25
リストはこれに感銘を受け、超絶技巧のエチュードを次々と作曲したそうです。ピアノ学習者憧れの曲がたくさんあり、できれば全曲演奏したいな…。
F.リスト
・超絶技巧練習曲 S.139
・パガニーニによる大練習曲 S.141
・2つの演奏会用練習曲
・3つの演奏会用練習曲
どの作品も「これでもか~」という超絶技巧でエチュードの概念を超越しています(;’∀’)
聴いているだけでも、鳥肌が立つほど圧巻!の作品集です。
どの作品も相当な努力が必要で、ピアニストにとって大きな挑戦となる作品です。
また、他にもたくさんの演奏会用エチュードがあります。
- ラフマニノフ 練習曲集「音の絵」 Op.33 Op.39
- スクリャービン 12のエチュード Op.8 8つのエチュードOp.42 3つのエチュード Op.65
- ドビュッシー 12のエチュード
- サンサーンス 6つのエチュード Op.111
ピアノエチュード(練習曲)の歴史

「エチュード」の歴史についても少し触れたいと思います。
最初にピアノエチュードを作曲したのはD.スカルラッティと言われています。
ポルトガル王女に仕えた際、「どうしてもチェンバロが弾けるようになりたい!」という王女の熱意に押され、技術向上のためのソナタを555曲作曲しました。
当時は「練習曲」という言葉が一般的ではなかったため、「ソナタ」という題名が付けられました。
(ちなみに、この「ソナタ」555曲中最初の30曲は、エクササイズという副題が付いています)
その後、19世紀の産業革命によりピアノがたくさん製造され、その結果ピアノを弾く人が増えました。
しかし、ただやみくもに弾くだけではなかなかうまくなりませんよね(;^_^A
そんなときに役立だったのが様々な「エチュード」です!
ピアノ普及に伴い、エチュードの需要が高まり、多くのエチュードが作曲されるようになりました。
中でも有名な、C.ツェルニーは数多くのエチュードを残し、現在まで学習者の必須教材となっています。
エチュード(練習曲)が発展したのはなぜか?
エチュードは単なる「練習用作品」の域を超え、その後も多くの作品が生み出されています。
どうして「エチュード」がここまで発展したのか?
これは、非常に興味深いですね。
あくまでも私見ですが、ピアノという楽器の可能性をどこまで広げれるか?という作曲家の挑戦だったのではないかと思います。
そして、超絶技巧をアピールをしたいというピアニストの熱意が「エチュード」をここまで発展させたのではないでしょうか?
過去の偉人たちが残した超絶作品を今は多くのピアニストが弾きこなせています。
当時、化け物と称され「ドヤ顔」で多くのエチュードを作曲したリスト。
現代のピアニストたちを見たらきっとビックリすることでしょうね!
まとめ
エチュードは、美しい音を聴く耳を育て、表現力を身につけ、さまざまな作品を演奏するための大切な土台になります。
当教室でも、生徒さん一人ひとりの成長に合わせて教材を選び、技術だけでなく音楽を楽しむ心も育てるレッスンを大切にしています。
エチュードに苦手意識がある方も、その目的を知ることで見方が変わるかもしれません。
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