「良い耳」を育てるピアノレッスンとは?
こんにちは。広島市安佐南区 横山美和ピアノ音楽教室です。
私がレッスンで大切にしていることの一つに「良い耳を育てる」があります。
これは、絶対音感を付けるということではなく、「良い音が分かる耳」を育てるということです。
ピアノ演奏における良い耳とは?
ピアノは楽譜通りミスなく弾ければ素敵な演奏になるとは限りません。
同じ楽曲でも弾く人によってまったく違う曲に聴こえることがありますよね?
その違いは、技術や演奏経験によることも大きいですが、音を聴ける耳を持っているか否かもとても重要だと考えます。
それは、初歩の生徒のレッスンであっても重要項目として扱うべきことです。
「音を聴く」には集中力が必要です。
これは幼いお子さんにはけっこう難しいこと…
レッスンでは、まず、「叩いた汚い音」と「丁寧に出された音」を聴き分ける簡単なクイズから始めます。
耳を育てるピアノレッスンとは?
では、レッスンの一例をあげてみます。
まずは「美しい音、きれいな音」と「汚い音、乱暴な音」を聴き分けるようにします。
これ、意外と理解できないお子さんもいらっしゃいます。(;^_^A
「集中力」がないと、なかなか難しいのです。
しかし、繰り返すうちに必ず集中して音を聴けるようになりますのでご安心を!
簡単な訓練ですが、「集中力」「音を聴く」を覚えるために根気よく行います。
これが良い耳への第一歩!
次に、強弱記号について勉強します。
例えば、「f」フォルテの表記があった場合どのように解釈しますか?
- 強いという意味だから、大きな音で弾く
- このフォルテはどんな音が良いかな?作曲者はどんな音で演奏してほしいだろう?と考えて弾く
さて、どちらが素敵な演奏になるでしょう?
一目瞭然!後者ですよね!
フォルテは、「強い、大きく」という意味があります。
しかし、ただ大きな音を出せば良いということではなく、この曲にあったフォルテを考えなければいけません。
- 大男が歩くような音
- 波がざぶーんと来るような
- 元気に行進しているように
- 楽しくダンスしているように
挙げればキリがありません。
イメージに合った音を追求するには、それを聴き分けられる耳を持つ必要があります。
もちろん、技術も必要ですが、どんな音を自分が出しているかを聴くことができないと良い音を出すことは不可能です。
これは、一朝一夕にできることではありませんが、それが、目指すべきところです。
「耳を育てる」ことは容易なことではありませんが、必ず身に付くと思っています。
レッスン以外でも、生演奏を聴くとか、物を乱暴に扱わないなど「音」に対して敏感になると更に良いと思います。
中学生の鳴らす音に感動したお話し
先日、ピアノ歴8年のSくんのレッスンをしていた際、本当に素晴らしいP(ピアノ)で演奏してくれました。
彼は決して器用ではありませんが、コツコツ努力する真面目な青年です。
「音を聴く」「丁寧に演奏する」ずっと言ってきたことが本当に理解できたのだなと深く感心しました。
彼は、これからもっともっと素敵な音を奏でるピアニストになるだろうなと、とても嬉しく思いました。