ピアノの先生が考える演奏が上手な人と下手な人の6つの違い
こんにちは。広島市安佐南区 横山美和ピアノ音楽教室です♪
発表会やコンクールで同じ曲なのに全く違って聴こえる!なんてことはありませんか?
同じようにピアノを弾ける人でもその人の技術や解釈によって聴こえ方は全く変わってきます。
では、「上手い人と下手な人」の違いは何でしょう?
今回は私が感じる「ピアノが上手な人と下手な人の違いと特徴」についてお話しします。
※「下手」という言葉はあまり良い言葉ではありません。ここでの「下手」の意味は「演奏がおぼつかない」「完成度が低い」と捉えて下さい。
また、あくまでも個人的意見であることをご理解の上読み進めて下さい。
ピアノが「上手or下手」の基準とは?
ここでのピアノが弾ける状態は、中級レベル以上とします。
楽譜が読めて、それを演奏することができる状態です。
即興演奏や耳コピではなく、作曲家が作った楽曲を演奏することを前提とします。
その上で、同じ曲を演奏した時に上手いと感じる判断基準は何か?
- 高い演奏技術
- 音楽の自然な流れ
- 楽曲の解釈
- 音のバランス
- 曲と演奏者のレベル
- パフォーマンス能力
他にも判断基準はありますが、今回は6つの判断基準から見てみましょう。
1.高いピアノ演奏技術
基本中の基本ですが、技術力がなければ安定した演奏はできません。
ミスは誰にでも起こりうることですが、技術力が低ければ不測の事態に対応することも出来ず最悪止まってしまうことも…
演奏が止まることは演奏会では最悪の事態。
高い演奏技術を持っていれば、不測の事態に対応できる能力も必然的に高く聴き手も安心感が持てるのです。
【上手な演奏】
基本的な技術力がある
ミスが少ない、ミスがミスとして聴こえない
曲の完成度が高い
【下手な演奏】
基本的な技術力が足りない
ミスが多い、演奏が止まる
曲の完成度が低い
2.音楽の自然な流れ
音楽は空間芸術です。
音楽には流れがあり、その流れが自然なほど聴き手には心地よく「上手い」と感じるのです。
では、流れが良い悪いとは何でしょう?
【上手な演奏】
適切なテンポ感
自然な呼吸がある演奏
程よい緩急がある
【下手な演奏】
テンポが不適切
呼吸がない、変な間の取り方
機械的に一定なテンポ、または無意識なテンポの変化
3.楽曲の解釈
演奏するとはただやみくもに指を動かしていれば良いということではありません。
作品を理解し、楽譜をどれだけ読み込んでいるかが非常に重要。
- 楽譜の指示通り演奏する
- 作曲者の特徴、時代背景を知っている
- 和声、対位法を理解している
自分勝手な解釈、または、楽譜の音しか見ていないと上手な演奏には聴こえません。
【上手い演奏】
楽譜の細部まで読み込まれている
音以外の作品に対する理解がある
和声、対位法を学んでいる
【下手な演奏】
自分勝手な楽譜の解釈
楽譜の音にしか注目していない
作品の時代背景、和声などを勉強していない
4.音のバランス
上手い下手の判断が一番付きやすいのは音のバランスではないでしょうか?
ピアノが弾けない人でも音の良し悪しは良く分かります。
音のバランスは、良い耳そして良いタッチとペダリングで決まります。
音を聴く耳が育っていないと出したい音が出せません。
音を聴くということは弾くことと同等に重要な要素です。
- 自分が出した音が、イメージ通りか?
- 叩くような汚い音を判別できるか?
「聴くことの重要性」についてはいつか詳しくお話ししたいと思います。
そしてもう一つ音を作り出すためには「良いタッチと上手なペダリング」が必要。
良いタッチのできる指、身体の使い方を解剖学的に知ることも面白いですよ。
また、ペダリングについてあまり考えていない人が多いように思います。
ペダルの使い方で音のバランスは大きく変わるためもっとペダルの使用に気を使うべきではないでしょうか?
【上手い演奏】
音を聴く耳が育っている
ペダルの使い方が上手い
左右のバランスが良い
出したい音をイメージ出来ている
【下手な演奏】
音を聴いていない
ペダルの使い方が適当
左右のバランスが悪い
叩くような演奏または音が鳴っていない
5.弾いている曲と演奏者のレベル
演奏者の技術と作品のレベルが合っていないと当然弾きこなせません。
弾きたい曲があることは素晴らしいですし、弾きたい曲があればモチベーションUPにも繋がります。
でも、弾きたい曲を「やっとこさ‼」で弾いても、上手く演奏出来ないのは目に見えています。
挑戦する気持ちは大切ですが、コンクールや発表会では今の自分に適した作品を選ぶことも大切です。
そして、これは賛否両論あると思いますが、「作曲家と演奏者の相性」というものがあると思います。
誰しも苦手な作曲家が存在するのでは…?
わたしは、「ショパン」がとっても苦手ですΣ( ̄ロ ̄lll)
どれだけ練習しても、人様の前で演奏する勇気はありません…。
コンクールの課題曲であれば致し方ありませんが、
発表会など選択の自由がある時に、敢えて苦手な作曲家に挑戦するのはいかがでしょう…???
【上手い演奏者】
自分のレベル合った作品を選ぶ
苦手な作品は敢えて本番に出さない
【下手な演奏者】
レベルに合っていない作品を弾く
好きな曲を弾く
6.ピアノ演奏とパフォーマンス能力
コンクールにしても発表会にしても人前で演奏するためには、人に何かを伝えたいという強い思いが必要です。
少々ミスがあってもそれを気付かせさせないだけの自信や魅力、伝えたいという気持ち、音楽性があればミスは気になりません。
しかし、ミスタッチを気にし過ぎて自信のない演奏だとどうでしょう?
練習不足でオドオドしていては?
聴いている方も「大丈夫?」と不安になりますよね。
上手に聞こえる演奏者には「自信と経験」がある!
それを備えるためには、1にも2にも練習しかないのです。
演奏力の向上に近道はありません。
自信が持てるだけの【膨大な練習量と本番の数】最後はこれに勝るものはないと思います。
【上手い演奏者】
自信がある
演奏経験が豊富
【下手な演奏者】
自信がない
演奏経験が少ない
ピアノ演奏に「上手・下手」は関係ない?
正直、大好きなピアノを楽しんで弾いているのであれば、上手い下手は関係ありません。
しかし、上手い下手は関係ないと言っても、練習不足でめちゃくちゃな演奏をしたいとは思いませんよね?
プロのピアニスト、ピアノを生業にしている人、音大生は否応にも本番があり常に良い演奏が求められる存在。
逆に、私は趣味で楽しんでいるからと自己満足で良いとも思いません。
ピアノを弾く誰しもが「上手く弾きたい」と思い日々練習しているはずです。
下手な演奏とは、技術力がないということよりも「勉強不足、準備不足」という状態がほとんど。
上手な演奏をするために、近道も魔法もありません。
せっかくピアノを弾くのであれば、常にベストを目指して日々コツコツ頑張りましょう。
ピアノの先生が考える演奏が上手な人と下手な人の違いと特徴:まとめ
1 ピアノが「上手or下手」の基準とは?
2 ピアノ演奏に「上手・下手」とは言いたくないけれど・・・
ピアノが下手とは、練習不足と準備不足なだけです。
正しい練習を、継続して行うことで上手な演奏を目指すことができると思います。
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