ピアノ教室に通う子供が、自宅練習でメトロノームを効果的に使うコツ
こんにちは。広島市安佐南区 横山美和ピアノ音楽教室です。
皆さん、メトロノームをご存じですか?
一定の正しい速度を示すための道具。4分音符=60とは、4分音符を1拍と数え、1分間に60拍刻む速さであることを意味する。現在使用されているモデルは、1816年にメルツェルが特許をとったもの。早くも翌年には、ベートーヴェンが曲のテンポを指示するために用いている。
楽器練習の必需品であり、生徒にもある程度進んだ段階でお持ちでない場合は、購入をお願いしています。
メトロノームはテンポ感を養うためにピアノ練習に非常に役立つツールですが、使い方にポイントがあります。
今回はお子さま向け、「メトロノームの効果的な使い方」についてお伝えします。
メトロノームの種類
メトロノームには大きく分けて2種類あります。
◎機械式メトロノーム(手動)
昔から使用されれおり、お教室や音楽室でよく見かけるのがこのタイプ。
一種の実体振り子である。おもり(固定錘)がついた振り子の腕が左右に振れる都度、「カチッ」という音が出るようになっており、この音によって演奏のテンポを合わせる。
◎電子式メトロノーム(自動)
携帯用に便利でチューナーが搭載されている。以前は管弦打楽器の人が良く使用していたが、現在は種類も豊富でピアノ教室でも頻繁に使用されている。
もともとは機械式のものが主流であったが、接地の傾きや長年の使用による機構の劣化により、拍(左右の振り子のタイミング)にずれが生じる事があり、最近では機械式の諸欠点を克服した電子式のものが多くなってきている。電子式は音を出すスピーカー以外の機械駆動部が無く機構の劣化が少ない。また、設置状態による影響も受けないため、色々な場所に置いて使える利点がある。
すでに使用されている方、お持ちの方はどちらでもよいですが、新たに購入されるなら電子式をおすすめ。
なぜなら、
- 細かいテンポ設定が可能
- 劣化による故障が少ない
- 音のボリュームが調整できる
今は様々な種類が販売されていますのでぜひ、楽器店に足を運んでみて下さい。
メトロノームの効果
なぜメトロノームを使用するのか?
一番の目的は、曲を一定のテンポで弾けるようにするためではないでしょうか。
特にお子さんに起こりやすい問題として、一定の速さで弾けないということがあります。
だんだん速くなったり、途中で不自然にゆっくりになったり…
技術的問題(弾けないから)でゆっくりになってしまう場合は、また別のアプローチが必要ですが、無意識にゆっくりなることがあります。
そんな時、一定のテンポを感じる目安として「メトロノーム」が活躍します。
このように、メトロノームの効果は一定のテンポ感を養うことにあるのです。
メトロノームの使用例
①楽曲中でテンポが変わる時
前述したように、子供のテンポ問題で一番起こりやすいのが、曲の途中でテンポが変わり安定しないこと。
この際、メトロノーム練習を取り入れますが、楽曲通して使用するのはナンセンス!
あくまで、テンポ感が掴めていない部分のみ。
なぜなら、楽曲が機械的に一定のテンポで演奏されることは絶対にありません。
抑揚や音楽の揺れがあるから心地よいのです。
しかし、不自然な揺れや勝手なテンポ設定はいけません。
一定のテンポの土台が合ってこそ、揺れの効果がある。
要するに、メトロノーム練習は不自然なテンポ感をなくすことが目的。
- 多くても前後、数小節と組み合わせるくらいで練習
- 著しくテンポが安定しない個所の練習
で使用するようにしましょう。
②テクニック、エチュードの練習時
ハノン、チェルニーなどテクニック強化の曲を練習する際は通して使用します。
なぜなら、テクニックの練習目的が、一定のテンポ内で正確に指を動かし、リズムを取ることにあるからです。
子供は音価に対する意識が薄い。
ちなみに《音価》とは
音楽における音価とは、ある音(または休止)に与えられた楽譜上の時間の長さをいう。例えば、楽譜に2分音符が示されているならば、その音符の音の長さ、つまり2拍分が、その音符の音価といえる。
特に長い音符の長さが曖昧です。
二分音符は2拍分と分かっていても、
「だいたいこのくらい」ですましてしまう。
きちんとメトロノームに合わすことで、音価の意識が高まり、正確な音の長さを感じることが出来るようになります。
これはリズム感の強化にも役立ちますよ!
また、一定のテンポで弾き続けるハノンなどのテクニックは指の強化が目的です。
疲れたからゆっくり弾こう…ではあまり意味がないのです!
➂リズム練習に使用
演奏中にテンポが崩れる原因として、リズム感が養われていない場合があります。
そもそも、リズムが分からないから、テンポ内で弾けない。
そうならないために、導入期のリズム訓練が非常に大切。
リズムがある程度たたけるようになってきたら、ぜひメトロノームに合わせてたたいてみましょう。
テンポを感じながらたたけるようになれば自然とテンポ感が安定し、リズム感のある演奏が出来るようになります。
余談ですが…
メトロノームだと少し味気ない?
そんな時は、お気に入りの曲のCDに合わせてたたくのもおすすめ♪
CDは一定のテンポで流れるので、余計な揺れはない。
好きな音楽に合わせる方がお子さんも楽しんで出来ますよね。
メトロノームは多用しない
メトロノームはピアノ練習の必需品。
でも、多用することで音楽的な演奏が出来なくなる恐れがあります。
「一定のテンポ」で演奏することは大切。
しかし、一定のテンポ=機械的なテンポ ではありません。
メトロノームで基準の速さを理解した上で、音楽に表情をつけ、安定した心地よい抑揚がある演奏になることが目的です。
特に、小さなお子さんに使用される際は注意が必要。
メトロノームに合わせることに必死になり、ノリが悪い演奏になってしまうことも…
メトロノームの使用の目的
- テクニック習得、強化
- 楽曲中の不自然なテンポの強制
- リズム打ちの練習
このように捉えて、適切に使用しましょう。
ピアノ教室に通う子供が、自宅練習でメトロノームを効果的に使うコツ:まとめ
1 メトロノームの種類
2 メトロノームの効果
3 メトロノームの使用例
4 メトロノームは多用しない
メトロノームは上手く使えば非常に便利なツール。
正しく使用して良いテンポ感を養いましょう。